研究課題/領域番号 |
18650161
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
半田 康延 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00111790)
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研究分担者 |
関 和則 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (20206618)
中山 勝敏 東北大学, 病院, 講師 (40321989)
小倉 隆英 東北大学, 医学部, 助教 (10312688)
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キーワード | 健康・福祉工学 / 睡眠時無呼吸症候群 / 電気刺激 |
研究概要 |
睡眠時無呼吸症候群(Sleep apnea syndrome:SAS)に対する新たな治療法の開発を目的として、舌骨上部皮膚表面上からの電気刺激(Suprahyoid Stimulation:SHS)による効果を調べた。男性被験者6名に対して、1日あたり1回15分間のSHSを1週間から2週間継続して施行した。効果判定には、就寝中の呼吸状態(口鼻の気流)・経皮的動脈血酸素飽和度・脈拍・気管音の測定を、原則としてSHS施行前、SHS施行1週間後および2週間後に行った。その結果SHS施行前に比べSHS試行後では就寝中の無呼吸の回数が概ね減少しており。特に1名の被験者に関しては無呼吸・低呼吸指数(apnea hypopnea index:AHI)がSHS施行前は20.6であり中程度の睡眠時無呼吸症候群と判断される状態であったが、SHS施行後2日目でAHIが11.7となりさらに3日目ではAHIが5.8と変化した。また自覚症状においても起床時の熟睡感、爽快感が得られており睡眠時無呼吸症候群の改善が認められた。また一方でSHS施行前とSHS施行1週間後で就寝中の無呼吸の回数に大きな変化がなくSHS施行2週間後にSHS施行前の約9%に激減する例も認められた。 今回の結果からSHSは即時的効果およびcarry overによる長期的効果があるものと推測される。前年度、SHSにより咽頭部の動態変化に関して、電気刺激による末梢からの求心性効果により中枢神経が調節されるNeuromodulation効果を指摘した。こうした効果は既に仙骨表面電気刺激により排尿障害や子宮機能不全の改善が認められ、しかも1日1回の電気刺激であってもその効果は比較的長期間持続し続けることが実証されている。したがって、本年度の研究結果から睡眠時無呼吸症候群に対してSHSによるNeuromodulation効果が得られる可能性が示唆された。
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