研究概要 |
運転は,認知,判断,運動機能(操作)を高速で連続的に組み合わさった行動と考えられ、通常はなかばそれらを繰り返しながら、自動的に行われる。また、突然の予期しない刺激にも適応する必要がある作業である。また,知覚(危険源発見)、予測判断(危険感受性)、意思決定(安全行動選択)の組み合わせともいえる。 近年,計測技術や情報機器,記録媒体の発展に伴い,視覚,操作行動は,計測可能となった.しかし,認知,判断を伴う,頭の中は未だ解明されていない.特に,運転中の認知・判断の部分は不明であり,昔からその解明は大きな課題である.本研究では,運転時の認知判断機能の解明と定義を行うため,心理状態,運転行動,生体情報の3側面から,それらを同時に計測することにより総合的に評価し,ドライバの知覚機能に対する認知,判断機能として脳機能計測の特徴を把握し,運転行動の特徴とそれらの計測技術の特徴を整理し,認知判断機能を評価し,その関連性を解明することを目的とする 18年度は、実験の評価項目等を整理し、計測系の準備を行い、仮想交通環境の作成を行い、統合計測システムの構築を目指した。交通環境の設定のための予備的検討において、運転時の情報を処理する脳内活動と交通環境条件に関して興味深い結果が得られ、運転時の交通環境において、情報処理を行なう交通環境条件の選定、モデルの仮設をたてることができた。翌年は、脳内の活動を直接計測することにより、本年度出力された結果の検証実験に試みる準備を行なうことができた。
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