研究課題/領域番号 |
18650162
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鎌田 実 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20224644)
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研究分担者 |
小竹 元基 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (10345085)
井上 剛伸 国立身体障害者リハビリテーションセンター, 研究所, 部長 (40360680)
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キーワード | 運転 / 認知 / 判断 / 脳内情報処理 / 交通環境 |
研究概要 |
運転は、認知・判断・操作を高速で連続的に組み合わせた行動と考えられ、通常はなかば自動的に行われる。突然の予期しない刺激にも適応するといった高度な作業とも言える。近年、計測技術や情報機器、記録媒体の発展に伴い、視覚や操作行動は精密にかつ長時間計測可能となってきている。しかし、認知・判断を伴う、頭の中での処理については未だ解明されていない。本研究では、運転時の認知判断機能の解明を目指し、心理状態・運転行動・生体情報の3側面から、それらを同時計測することにより、総合的に評価し、ドライバの知覚機能に対するに認知、判断機能として脳機能計測の特徴を把握し、運転行動という高度で複雑なものを明確化していくことを目的とした。 本年度はまず、前年度確立した計測システム、計測条件、シミュレータのシナリオ等を整理し、統合計測システムを確立した。続いて、NIRSにより脳血流をヘモグロビン濃度として計測し、知覚行動や操作行動といった刺激に対する脳活動の基礎データを得た。そして、運転中に歩行者の飛び出しを知覚するというシナリオにおいて、距離やリスク判断等によって、脳活動がどう変化するかを計測した。計測系の空間分解能や、ヘモグロビン濃度変化の時間応答など、諸般の制約等もあり、定量的な詳細議論を行うには至らなかったが、諸項目の関連付けができ、今後の詳細検討につながる基礎データを得ることが出来た。別途、情報負荷に関して、情報処理容量を2重課題法により定量化することができており、運転環境や運転者の情報処理の能力に応じて、交通安全のための適切な情報支援を行うための基盤ができてきたといえる。
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