研究課題/領域番号 |
18650186
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
前田 清司 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (30282346)
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研究分担者 |
久野 譜也 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (70242021)
家光 素行 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助手 (90375460)
宮内 卓 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (60222329)
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キーワード | エストロゲン / 動脈スティフネス / エストロゲン受容体遺伝子多型 / 中高齢者 / 性差 |
研究概要 |
エストロゲンは血管内皮機能の改善、血管平滑筋の増殖抑制、血中脂質プロファイルの改善などを介して、加齢による動脈硬化の進行を抑制する作用を有する。これらのエストロゲンの作用はエストロゲン受容体を介して発揮される。エストロゲン受容体遺伝子多型は、心血管疾患リスクなどと関連があることが報告されているが、動脈スティフネスとの関連については不明である。今年度は、エストロゲン受容体α遺伝子多型が中高齢者の動脈スティフネスに及ぼす影響を検討した。中高齢男女185名(男性/女性=66/119,64±6歳)を対象とした(女性は全員が閉経後女性)。エストロゲン受容体α遺伝子多型は、-401T/C(intronl)および30T/C(exonl)をTaqMan-PCR法にて解析し、いずれもTT型、TC型およびCC型に分類した。動脈スティフネスは上腕-足首間の脈波伝播速度(brachial-ankle pulse wave velocity : baPWV)にて評価した。収縮期血圧および拡張期血圧は女性で男性よりも低値であったが、心拍数は女性が高値を示した。各性別において、エストロゲン受容体α遺伝子多型間で年齢、血圧、および心拍数に差は認められなかった。-401T/C多型において、女性のbaPWVはTT型よりCC型で有意に低値であったが、男性の-401T/C多型はbaPWVに影響しなかった。30T/C多型についても、女性のbaPWVはTT型よりCC型で有意に低値であったが、男性では差が認められなかった。これらの結果から、エストロゲン受容体α遺伝子多型は閉経後女性の動脈スティフネスに影響する可能性が示唆された。
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