研究概要 |
本研究は,すでに感染し,身体に潜在しているウィルスDNAを指標として個体全体の免疫機能を定量化し,感染症との関係を明らかにしようとする研究である.本研究では以下の3つの目的を設定している: 1.潜在性ウィルスの再活性化と他の免疫学的指標の関連性の検討 2.健常者を対象にウィルス再活性化と感染症罹患リスクとの関係の検討 3.実際のフィールドでスポーツ選手のウィルス再活性化を指標として感染症罹患リスクをモニタリングし,コンディショニングへの応用の可能性を探る 平成18年度は上記の1と2に関する検討を行った. PCRによるウィルスDNAの検出に関する基礎検討に関して,EBウィルスDNAをヒト唾液から検出する実験系を構築した.またウィルスDNA量を定量化するため,ウィルスDNAの配列を含んだコントロールベクターを構築し,これを用いてデータの標準化を行うことが可能になった(Yamauchi et al.,14th Annual Meeting of European College of Sports Scienceにて発表). ウィルスDNAの変化と他の免疫学的指標の関連の検討では,ウィルスDNAの変化と唾液中SIgA濃度などの免疫学的指標の関連について相関解析を行い,それらの関連性について現在検討を行っている.上記の免疫学的指標の変動を検討した論文を本年度は3編発表した.
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