研究課題/領域番号 |
18650209
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
土井 正 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 助教授 (70137181)
|
研究分担者 |
西岡 基夫 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 助手 (90347500)
|
キーワード | 環境材料 / 舗装材料 / ヒートアイランド / 高齢者 / 木質チップ / バイオマス / 環境政策 / 廃棄物処理 |
研究概要 |
1)幅1m×長さ10mで5種類の歩行路を設置した。舗装材料は木質チップ、木質パネル、製材、コンクリートブロック、およびアスファルト路面である。アスファルトについては既存の路面を用いた。路面の基本的物性として乾燥、湿潤の動摩擦係数および衝撃反発係数を測定した。その結果、木質チップ舗装は湿潤、乾燥状態に関わらず摩擦抵抗が変化せず、その値ももっとも滑りにくい舗装面であった。衝撃反発係数もアスファルト路面の60%と歩行衝撃が小さく、このため木質チップ舗装の歩行性評価が高くなると予測された。2)そこで、日常生活に支障ない高齢者40名と青年10名により、歩行による主観評価を実施した。その結果、木質チップは柔らかいという評価が得られたものの、歩き易さの観点ではアスファルト舗装が木質チップより高い評価となった。これは、表面粗度の影響を受けたものと考察された。歩行に加えて、車椅子による走行、高齢者用手押し車を押した歩行評価において、木質チップはでこぼこが大きくて車輪への抵抗が大きいという結果が得られたことからも推察される。したがって、より歩きやすい舗装材料とするためには表面性状の改善が必要といえる。3)ヒートアイランド現象緩和に寄与する舗装材料を目指して、表面温度を継続して測定している。さらに、白熱ランプを用いた加熱実験を行い温度特性の検討を行った。今年度は冬期の温度特性について検討した。その結果、他の材質より路面温度の変動が小さく、高齢者の歩行環境を改善する良好な環境材料であると推測された。今年度、夏期の温熱性状の検討を行う。4)森林廃材の有効利用の観点から、木材消費量の検討を行った。政令指定都市の歩道総延長について幅1mで木質チップ舗装とし、7年毎の更新とした場合、消費量はその間の森林成長量の2.2%程度となって、廃棄物処理の軽減、有効なバイオマス利用法であることが確認された。
|