研究概要 |
学内の0〜2歳児対象の保育施設「いずみナーサリー」を、0歳から成人までの人が学び生活する保育・教育的コミュニティである女子大学の中に位置づけ、ナーサリーにおける保育・教育の質の向上をめざしておこなう。 今年度は、(1)実践研究体制の拡充、(2)環境・教材研究の充実、(3)他の施設視察等をとおして見識を広めること、の3点を当初の目的としていた。その3点に沿って、成果概要を示す。ナーサリーの保育士と大学の保育研究者との共同的研究を主に、次のように実施した。 (1)大学講師がナーサリーの主任的役割を兼務し、実践的基盤からの研究体制づくり、および大学の教育課程とナーサリーの協力を有機的に結合するシステムを試み、一定の効果を示した。また学部学生の授業において、毎週観察を受け入れた。またインターンシップ学生も受け入れ、指導をおこなった。 (2)ドイツ・フランクフルト市の幼児教育施設KITAの地域共同カリキュラムの実際を視察。ミュンヘン市の幼保一体化施設の訪問、ミュンヘン総合科学大学における保育者養成課程の視察もおこなった。(「幼児の教育」フレーベル館、107-11,12に報告掲載予定)0才から6歳、および12歳までの一貫した保育、その保育者養成、地域との協働的教材開発について知見を得た。また大学とナーサリーの共同研究会を月1回開き、0〜2歳期の遊具、教材、環境に関して研究した。 (3)(1)のドイツ訪問のほか、首都圏の特色ある保育所を保育士と大学教員が訪問し、報告書を作成した。バオバブ保育園、こぐま保育園(東京・多摩市)、戸越ひまわり保育園(東京・品川区)。 その他、文部科学省高等学校家庭科(保育)研修を本大学で実施した際、ナーサリーの保育を研修教員に公開した。
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