研究課題/領域番号 |
18650217
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
中里 未央 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (00380973)
|
研究分担者 |
大園 惠幸 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (90213719)
青柳 潔 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (80295071)
中島 憲一郎 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (30039656)
|
キーワード | 離島 / 栄養調査 / ホモシステイン / 葉酸 / ビタミンB12 / 動脈硬化 / MTHFR遺伝子多型 |
研究概要 |
動脈硬化の新たな危険因子と報告されている血中ホモシステイン濃度(Hcy)、及びHcy代謝の律速酵素であるメチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)遺伝子のC677T遺伝子多型を、人口1000人未満の小離島149人、比較的人口規模のある大離島1030人、そして本土地方都市291人調査した。地域間のMTHFR遺伝子多型頻度には差を認めなかったが、年齢・性別等の調整後Hcyは小離島が最小2乗平均11.1(標準誤差±0.3)μmol/lと最も高く、次いで大離島8.8(±0.1)μmol/l、本土6.0(±0.3)μmol/lであり、有意差を認めた。また、MTHFR遺伝子多型別におけるHcyは、小離島ではCC+CT群10.0(±0.4)μmol/l、TT群18.7(±0.9)μmol/1と大きな差を有意に認め、大離島ではCC+CT群8.7(±0.1)μmol/l、TT群10.0(±0.4)μmol/lでは比較的小さな差を有意に認めた。本土ではCC+CT群6.7(±0.3)μmol/l、TT群6.6(0.7)μmol/lで差を認めなかった。 上記の小離島において高いHcyを認めること、MTHFR遺伝子多型間に大きなHcy差を認めるのは、小離島では葉酸が不足する等の特徴的な食生活を持つためではないかと仮説を立てたが、これまで小離島で栄養調査が行われたことが無かった。そこで我々は、島人口278人の小離島の協力者42名に、秤量調査法を主に用いて栄養調査を行った。葉酸においては小離島平均440.9μg/日、国民栄養調査310μg/日であり、ビタミンB12では小離島8.1μg/日、国民栄養調査、国民栄養調査7.5μg/日であった。その他小離島では総カロリーおよび塩分摂取量が多く、蛋白源として魚介類が多いという結果等を認めた。次年度は調査の季節を変え、サンプル数を増やし分析を進めたい。
|