ポリスチレンにスルフォン酸を導入した強カチオン交換樹脂を導入したスピンカラムを用い、て数mLのヒト末梢血中に存在する食事由来ペプチドのキャプチャリングに成功した。このペプチド画分を用いて、サイズ排除クロマトグラフィーで分画後、フェニルイソチオシアネート(PITC)によりペプチドを誘導化した。この処理により親水性ペプチドの逆相HPLCによる分離が劇的に改善され、さらにフェニル基の存在に基づく254nmにおける特異的な検出が可能となった。この手法を用い、コラーゲンペプチドを摂取したヒト末梢血から主要な食事由来コラーゲンペプチドであるPro-Hypが妨害無く検出された。さらにこれまでは分離できなかった親水性ペプチドであるHyp-Glyも主要な食事由来コラーゲンペプチドとしてヒト末梢血中に存在することを明らかにした。さらに大豆たんぱく質分解物、エラスチン分解物を摂取したヒト末梢血からも食事由来ペプチドの分離に成功した。 またアミノ末端がピログルタミン酸となったアミン末端閉鎖ペプチドを摂取したラットもン脈血から前述のスピンカラムによりアミノ基を持つペプチド・アミノ酸を除去した後、ピログルタメートアミノペプチダーゼで消化し、遊離してきたピログルタミン酸をジニトロヒドラジンと反応させ、反応物を逆相HPLCで分離することによりピログルタミン酸ペプチドがラット問脈血中に移行することを初めて証明した。
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