本研究では、児童・学生および一般市民などの利用者を対象として、また、初等・中等教育現場や家庭などのさまざまな生活の場で、グローバルコモンズと地域環境資源を構成する重要な要素である「土」に関わるこれまでの知見を、平易かつ多面的に理解せしめることを通して、人と環境のあるべき姿を考える契機を与えるような環境教育補助ツールであるバーチャルミュージアム「土の不思議館」を試作することを目的とした。本年度は以下の研究を実施するとともに最終年度の取りまとめを行った。 1)ペテルブルク大学土壌博物館と京都大学で協同してバーチャルミュージアム「土の不思議館」を製作した。 2)海外の研究実施地域で追加資料の収集を行うとともに、国内の研究機関等で上記ソフトウエアの必要な改訂のための意見を聴取した。 3)ペテルブルク大学および周辺の科学アカデミー研究機関においてソフトウエア試作版のデモンストレーションを行い、必要な改訂のための意見を聴取した。その後、ペテルブルク大学附属土壌博物館において、研究協力者Aparin館長ならびにAbakumov博士とともに、それまでに得られた評価に基づいてソフトウエアの改訂を行った。 4)成果報告書を作成し提出するとともに、収集資料およびこれまでの現地調査で得られた成果を原著論文として公表した。
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