研究概要 |
本研究は、地域の科学教育力を向上させるための科学コミュニケーター育成を支援する教育システムを開発するための調査研究である。特に地域に住む高齢者の経験力を生かして、地域の科学教育力を向上させるための教育支援システム構築を目的とする。具体的には科学の橋渡し役、すなわち「科学コミュニケーター」として、高齢者の方のこれまでのキャリアを地域の科学教育向上に活用できるようなシステムおよび教育プログラムの開発が可能かを検討する。 平成18年度の実施計画を以下に示す。 (1)地域における科学コミュニケーター育成の可能性に関する調査 石川県野々市町は60歳以上の方を対象に寿大学校という生涯教育講座を実施している。その講座において科学実験教室を開催し,高齢者の方がどの程度科学実験に興味があるかを調査した.講座終了後のアンケート調査によると,参加者のほとんどが科学実験に興味を持っており,さらにそれを人に教えてみたいという感想を持っていることが分かった. (2)科学コミュニケーター育成支援用e-Learningシステムの構築 高齢者の方々のこれまでの経験・知識を教材コンテンツにし,地域に提供できるようにするためのe-Learningシステムの基盤部を開発した。システムはオープンソースのMoodleを用いて開発している。 (3)地域を題材にした教材データの収集 地域環境に関連した教材コンテンツの作成に備えて、地域の基礎的な環境データ(気温・湿度)を収集するための観測を実施した。
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