研究概要 |
まず,絵記号コミュニケーション学習支援システムを開発するためには,Cognitive Tutorに適用するプロダクション・ルールの形式とインタフェースを決める必要がある.そのために,軽度発達障害児に対するコミュニケーション支援の内容と方法について,研究分担者及び研究協力者と具体的に議論し,軽度発達障害児(高機能自閉症児)1名(10歳)を被験者として,この被験者から絵記号文法の抽出を行い,この被験者のコミュニケーション支援を目的として,絵記号コミュニケーション学習支援システムを試作することにした.次に,これらの方針を踏まえた上で,Cognitive Tutor開発ツールであるCTAT(Cognitive Tutors Authering Tool)を本研究用にカスタマイズした. さらに,軽度発達障害児にとって利用可能なJIS絵記号を選別することと,それを用いて可能なコミュニケーションを知ることが必要であったので,JIS絵記号をパソコンで1枚ずつモニタに表示するWebベースのスライドを作り,被験者に1枚ずつ見せて,それらの意味を問い,JIS絵記号すべてについて被験者が理解できる意味データを得た.また,学会,研究会などにおいて情報収集を行い,本システム開発における課題を考察した.今後はこれらのデータを用いて,プロダクション・ルールの形式とインタフェースを詳細に設計し,研究協力者によって開発されたCTAT(Cognitive Tutors Authering Tool)を用いて,絵記号コミュニケーション学習支援システムを開発する.
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