初年度は、想定外の事態として、本研究で、最も主要な装備の一つである国内仕様(日本語対応)のロボットの内、自走・運動機能を含むものが、安全上の潜在的危険性への配慮からメーカーによる販売が中止されるという状況が発生した。そのため、その対応に苦慮したが、種々の交渉の結果、ようやく年度の後半に入り、研究用に特別に注文するという形でメーカに受注生産してもらい、入手することができた。そのため、年度後半は、実験計画の練り直しと、研究者の関係者をパイロットスタディでの実験参加者として、安全性の確認を主として行った。その結果、1つには、実験風景の全景と実験参加者の表情を同時に計測するには、特に、移動型の場合、一台のカメラだけでは限界があることが判明した。従って、この点については、平成19年度に追加してビデオカメラを購入する予定である。 また、言語認識機能については、現行機種は音声認識は、実験参加者の発話のタイミングとロボットの音声認識のスタンバイがずれることがあり、それにより、音声認識率が変動するので、場合によっては実験参加者にその点への注意を促す必要があることも判明した。また、ロボットが対応出来る語彙の内、移動系の動詞が必ずしも十分とは言えない可能性もあるが、これに関しては、対応可能語を研究者側が変更できる可能性もメーカー側より示唆されたので、この点も継続交渉中である。 なお、実験参加者募集についても、安全面での配慮を当初の想定より、なお、慎重にする必要がでてきたため、当初計画を修正し、自宅への貸与の部分を縮小し、本学に定期的に来校できるということも、新たな条件にして再募集をかけ、複数の候補者と予備的な交渉を始め、現在も折衝中である。
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