本年度は初年度につき、データ収集を中心に、過去の研究資料と実績を元にした。また手話の言語的特徴について発表した。 1.手話試験データの入手:NPO法人手話技能検定協会が実施している手話技能検定試験の過去問題及び試験結果データを入手した。試験問題はVHSテープで商品として販売されているが、画像に問題があるため、本研究に限定するという条件で、過去問題のオリジナルデータをデジタルデータに編集してもらい、特別購入した。また、試験結果については、個人情報などが含まれるため、購入が不可能であり、個人情報を削除した集計結果のみを詳細を公表しないという条件で入手した。これらのデータにより、問題の難易度、回答別分析、学習者の習熟度について、分析した。その結果、間違い易い問題と誤答し易い問題の大まかな傾向が把握できた。 2.画像編集作業:入手済み過去問題データの画像を切り出して、日本語ラベルを付け、データベース化して類型語テータを抽出する作業を開始したが、本年度内には完了せず、次年度への継続作業になっている。 3.入手データの分析は途上にあり、発表段階にはないので、過去の研究成果から得られた知見を元に、研究協力者との議論を経て、手話の対話言語としての特徴、及び人称動詞における空間上の運動について発表した。この運動に関する分析が類型語判断の重要な基準となる予測である 4.類型語抽出の基本ツールとなる形態素分析についても過去の研究資料に基づき共同発表した。
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