研究概要 |
本研究は,インターネット空間に存在する,NHKや教科書会社等から教育用のデジタルコンテンツなど,校務や教材研究に関係するさまざまな情報(以下,校務情報と略す)を,システムが個々の教員の嗜好パターンを理解して,書籍サイトのamazonなどの代表的な実用例が見られる協調フィルタリングによって推薦する手法を開発し,これを実装したモデルシステムを学校現場の教員の活用によって検証することを目的としたものである。第1年次の平成18年度は,以下のように研究を進めた。 (1)教員が校務や教材研究で用いている情報について収集し分類した。教員を対象とした校務情報に関して,Webブラウザの「お気に入り」に登録しているURLに関する調査を実施した。のべ74名から回答を得た結果,挙げられたURLはのべ4818にのぼった。その上でインタビュー調査を行い,校務情報の格付けを行った。 (2)格付けされた校務情報を,RSS技術を用いて教員に自動的に配信する仕組みを開発し,現場教員に対して実証実験を行った。サーバシステムのRSS配信モジュールから配信されたRSSをクライアント側で受け取る専用RSSリーダーを開発し,教員が自己の関心に対応したRSSの配信を受けることができるようにした。また,既読・未読情報をクライアント側で管理できるようにした。 (3)協調フィルタリングの手法,とりわけユーザー同定やコンテンツ分類などの探索空間限定による情報推薦手法について調査した。特に,教育情報および校務情報に固有な手法について検討をした。
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