研究課題
本研究は、光ルミネッセンス(OSL)法による第四系年代測定法に新しい視点からの改良を加え、火山噴出物起源の鉱物をまじえた試料に適用可能な新しい年代測定手法の開発を行う。そしてその過程で、どの程度の精度・信頼性を有する手法が構築可能であるかを明らかにすることを目指している。初年度は、とくに紫外線と白色光による励起を中心に、これまでにない励起光と検出光の波長の組合わせを可能とするルミネッセンス計測機器の開発を目指して、関連部品の調達および計測機器の構築について、試行錯誤的に、基礎的な検討を進めた。しかしながら現状では、必ずしも十分な測定システム系の構築が完成した訳ではないので、次年度は、初年度の成果を踏まえ、安定的な計測機器の構築への改良を目指す予定である。一方、火山噴出物に含有される有色鉱物のルミネッセンス年代測定に関しては、テフラに含有されることのある有色鉱物の1種であるカンラン石を用いた基礎研究を進め、一部の成果がRadiation Measurementsに掲載された。OSLを含めたルミネッセンス年代測定は、測定試料として石英を用いることが多いが、この研究によって、石英を含まないテフラ試料の年代測定に向けた新しい視点を提示できたと考えている。なお今年度は、上記に加え、島根県三瓶火山周辺などで、未採取の火山噴出物サンプルも収集した。次年度以降の実験検討材料として、現在、試料処理を進めている。
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Radiation Measurements 41
ページ: 982-986
First Asia-Pacific Conference on Luminescence Dating, 23-26 October 2006, Book of Abstracts 23 October 2006
ページ: 40
ページ: 49