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2008 年度 実績報告書

火山噴出物起源の鉱物を対象とする新しいOSL年代測定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18650267
研究機関奈良女子大学

研究代表者

高田 将志  奈良女子大学, 文学部, 教授 (60273827)

研究分担者 谷 篤史  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (10335333)
キーワード火山 / 岩石・鉱物・鉱床学 / 地質学 / 放射線 / 固体地球物理学 / 年代測定 / 光ルミネッセンス
研究概要

本年度は、前年度までの研究成果を踏まえ、実際の天然カンラン石試料を対象として、具体的な年代測定の手法の構築を目指した研究を行った。この過程では、カンラン石を純度良く抽出することがが問題となるが、磁気分離や重液分離、フッ化水素酸によるエッチングなど、様々な試料処理工程の条件を調整することで、十分な純化試料が得られることがわかった。次に、OSLと関係の深いTL信号の諸特性を明らかにした上で、まず、TL年代測定の評価を行った。その結果、カンラン石のルミネッセンス信号には、きわめて強いフェーディング特性があることがわかった。このため、天然カンラン石を対象としたルミネッセンス年代測定には、このフェーディングの影響評価を組み入れないと、実年代よりもかなり若い年代を示す可能性がある。この点を考慮した測定手法としては、カリ長石の場合に用いられるqvalueによる影響評価を援用することが考えられるが、現状では、q値が相当大きいために、実効性の高い年代測定手法とするには問題が大きいこともわかった。実際的な年代測定手法の確立のためには、今後、異なる検出波長、とくに赤色に近い長波長側の検出光の利用や、TLとOSL信号の関連性などについて、さらに研究を深める必要があると考えている。
一方、火山噴出物起源の石英を用いたOSL年代測定に関しては、従来からの励起光・検出光の組み合わせにない測定を行うためには、光計測システムにおける波長分離をかなりの精度で実施する必要のあることがわかってきた。これまで、LEDやキセノンランプ光源と光学フィルターを組み合わせた各種の測定システムを試みてきたが、現状では、今回ターゲットとして想定していた波長領域の検出光を年代測定に応用できるレベルで感知するところにまでは到達できなかった。この原因は、試料とフォトマル検出窓との光学的な位置や、励起光波長特性の分離精度が不十分であったことが大きい。今後、レーザーや光ファイバーの利用などを考慮した新しい計測システムの構築を検討する必要があると考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] ESR dating of sedimentary quartz from two Pleistocene deposits using Al and Ti-denters2009

    • 著者名/発表者名
      HIene Tissoux, et al.
    • 雑誌名

      Geochronometria 30

      ページ: 23-31

    • 査読あり
  • [学会発表] カンラン石のルミネッセンス特性と年代測定2009

    • 著者名/発表者名
      高田将志
    • 学会等名
      第25回ESR応用計測研究会・2008年度ルミネッセンス年代測定研究会
    • 発表場所
      浜松アクトシティー(浜松市)
    • 年月日
      20090302-20090303
  • [学会発表] Luminescence dating of Quaternary volcanic rocks using olivine2008

    • 著者名/発表者名
      Takada, Masashi
    • 学会等名
      LED2008 (12th Internat ional Conference on Luminescence and Electron Spin Resonance Dating)
    • 発表場所
      北京大学(中国)
    • 年月日
      20080918-20080922

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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