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2007 年度 実績報告書

海洋に分布する第三の微粒子群?-高度光学手法を用いた萌芽的究明

研究課題

研究課題/領域番号 18651007
研究機関京都大学

研究代表者

永田 俊  京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40183892)

キーワード海洋 / 物質循環 / 微粒子 / コロイド / 微生物 / フローサイトメトリー / 有機物 / ウィルス
研究概要

フローサイトメトリーを用いた微粒子検出における重要な検討課題はノイズの削減である。本年度の研究では、前年度に引き続き、海水中に分布する微粒子のモデルとしてウィルス粒子を考え、そのシグナルを明瞭に分離することを目標として、機器と分析方法の最適化を進めた。なお、ウィルス粒子は直径が20-50nmであり、本研究が目標とする微粒子の粒径とほぼ等しい範囲にある。ノイズは電気的ノイズ、シース溶液に由来するノイズ、光学的ノイズ、各種試薬に由来するノイズに分類することができる。これらのノイズに関する検討を進め、シースや試薬に由来するノイズに関しては、試料の取り扱い方法や試薬の製造元や調整方法を大幅に改良することができた。しかし、DNAの検出に用いられるSYBR GREEN I以外の試薬(ナイルレッド、アクリジンオレンジなど)に関しては、試薬自体のノイズが高く、また、シグナルが十分に強くないことから、本研究がターゲットとする微粒子の検出には適さないことが明らかになった。そこで、SYBR GREEN Iを用いて、外洋域で採取された試料について、微粒子解析を進めたところ、ウィルス様粒子については、これをを2つないしは3つのクラスターに明瞭に分離することができた。この方法を用いて、学術調査船白鳳丸の中部太平洋南北断面観測航海などで採取されたサンプルの解析を進めた。その結果、広範な海域において、ウィルスと同様なサイズの非生物粒子が存在することが確認された。ただし、シグナルの強度が不安定であるため、その粒子数の確定や、出現パターンの解析を行うためには、染色条件や測定条件についてのより詳細な検討が必要であることが明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Tungstate compounds as an alternative to uranyl acetate for enumerating viral infected prokaryote cells in aquatic systems2007

    • 著者名/発表者名
      Ram, A. S. P., Nagata, T., Tomaru, Y. and Nagasaki, K
    • 雑誌名

      Aquatic Microbial Ecology 47

      ページ: 209-212

    • 査読あり
  • [学会発表] Distribution patterns of viruses and their subclusters in the upper water columns of the Pacific and Southern Oceans2007

    • 著者名/発表者名
      Yang, Y., Yokokawa, T., Motegi, C. and Nagata, T.
    • 学会等名
      2007年度日本海洋学会秋季大会
    • 発表場所
      琉球大学
    • 年月日
      2007-09-28
  • [図書] 生物の多様性って何だろう2007

    • 著者名/発表者名
      永田 俊, 茂手木千晶(京都大学総合博物館・京都大学生態学研究センター編)
    • 総ページ数
      313
    • 出版者
      京都大学学術出版会
  • [図書] Microbial Ecology of the Oceans (2nd edition)

    • 著者名/発表者名
      Nagata T (ed. by Kirchman, D. L.)
    • 出版者
      John Wiley & Sons, New York(in press)(掲載確定)

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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