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2006 年度 実績報告書

ケギン型構造を有するアルミニウム13量体の環境動態化学:生成と安定化

研究課題

研究課題/領域番号 18651014
研究機関九州大学

研究代表者

横山 拓史  九州大学, 大学院理学研究院, 教授 (20136419)

研究分担者 岡上 吉広  九州大学, 大学院理学研究院, 助手 (10194333)
キーワードアルミニウム / 毒性 / ケギン型アルミニウム13量体 / 加水分解 / 土壌溶液 / 生成条件 / 安定性 / 酸性雨
研究概要

【緒言】
アルミニウムイオンやその加水分解化学種が植物や魚類に毒性を示すことは良く知られている。加えて、ケギン型を有するアルミニウム13量体(Al-13)の毒性が極めて強いこと、このAl-13が土壌溶液中に存在する可能性が指摘された。合成化学的にはAl-13が存在できる条件は極めて限定されていると考えられるが、土壌環境の王権におけるAl-13の生成と安定粂件を耕究することは環境科学上車要である。
【結果と考察】
(1)ポテンシオメトリーおよび27AlNMR法を用いてAl-13が生成するpH条件を調査した。pH3の塩化アルミニウム溶液(0.1M)に水酸化ナトリウム溶液(0.1M)をビウレットで滴下し、滴下量、pHと27AlNMRスペクトルを測定した。pHが3〜3.7の間は6配位アルミニウムのピークのみが現れ、Al-13は生成しなかった。pH3.75付近より6配位のピークに加えてAl-13に特有な4配位のピークが出現した。このpH以上でpHが増加するにつれて4配位のピーク強度が増加した。一方、6配位のピーク強度は減少し、pH4.7付近で消失した。pH変化の結果も合わせて考察すると、pH3.75付近からAl-13が生成し始め、pH4.7付近でほとんどすべてのアルミニウムがAl-13になり、沈殿ができ始めるpH6付近まで安定に存在できるものと思われる。
(2)Al-13の生成および安定性に及ぼすケイ酸の影響について調査した。pH4.25でAl-13を生成させ、その溶液に同じpHのケイ酸溶液を添加し、24時間以上放置した後27AlNMRスペクトルを測定した。その結果、一端Al-13が生成するとケイ酸が存在しても安定であることが分かった。一方、始めからケイ酸を加えておくとAl-13の生成が妨害された。Alに対して1/10以上のケイ酸が存在するとAl-13はほとんど生成しないことが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 27Al及び31P核磁気共鳴法による水溶液中のアルミニウム-クエン酸-リン酸三元錯体の検出2007

    • 著者名/発表者名
      山口明子 他
    • 雑誌名

      分析化学 56

      ページ: 185-189

  • [雑誌論文] シリカの溶解に及ぼす硫黄系オキソ酸陰イオンの影響2006

    • 著者名/発表者名
      白 淑琴
    • 雑誌名

      硫酸と工業 59

      ページ: 143-152

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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