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2007 年度 実績報告書

尿タンパク質のプロテオーム解析による簡便な被ばく者障害リスク評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18651024
研究機関広島大学

研究代表者

鈴木 文男  広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (10019672)

研究分担者 河合 秀彦  広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (30379846)
キーワードγ線 / 放射線被ばく / マウス / LyGDI / タンパク質分解 / HPLC / 質量分析装置
研究概要

高線量の被ばくをした場合、各組織細胞や血液・リンパ球系細胞の障害が生じ、その結果として種々のタンパク質に分解産物が生成される可能性がある。昨年度の研究により、マウス胸腺細胞に放射線を照射した場合、比較的低い線量でRho-GDP-dissociation inhibitor (LyGDI)の分断化産物(ΔN(1-19)LyGDI)が出現することが判明した。一方、白血病細胞にγ線を10 Gy照射し、細胞質ゾル分画を二次元電気泳動にかけたところ、23 kDaの全長のLyGDIに加えて、21 kDaのLyGDI分断化産物(ΔN(1-19)LyGDI)にスポットが出現し、ΔN(1-19)LyGDI量はγ線照射によって増加することが分かった。同様の結果は、γ線照射マウスの胸腺、小腸上皮及び脾臓などで得られたが、γ線照射マウス尿ではWestern blot解析によってもΔN(1-19)LyGDI及びLyGDI由来の2 kDa以下の小さい分断化産物は検出できなかった。そこで、尿試料については、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)とQqTof型質量分析装置を用いて、γ線照射に依存した小分子タンパク質やペプチドフラグメントが検出されるか否かについて調べた。2.5 Gyのγ線をマウス(メス、C57BL/6N)に一週間毎4回照射し、照射後2週間目に尿を採取し、LPLCスペクトラムを未照射尿サンプルと比較した。その結果、全体としてスペクトラムパターンは一定せず、1週間目の尿においてγ線照射に共通したピークはみられたものの、ペプチドを同定するまでには至らなかった。しかし、HPLCによる溶出条件を検討することにより溶出ピークとペプチド同定が可能と思われる。γ線照射により血液・リンパ球系細胞に出現するΔN(1-19)LyGDIや尿中のペプチドは、その感度と検出の簡便さから、放射線被ばく者の障害リスク評価指標として有用であることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] RING domain-mediated interaction is a requirement for MDM2's E3 Ligase activity.2007

    • 著者名/発表者名
      Kawai, Hidehiko
    • 雑誌名

      Cancer Research 67

      ページ: 6026-6030

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 細胞に対する放射線応答と発がん2007

    • 著者名/発表者名
      鈴木, 文男
    • 雑誌名

      Life & Radiation 20

      ページ: 29-39

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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