研究課題
ヒトには核内受容体が現在約50種類の核内受容体が知られており、我々は、遺伝子組換え技術によってヒト細胞の核内受容体応答系を酵母に構築することを経て、リガンド物質が作用すれば溶液が発色する簡便迅速なバイオアッセイ系を樹立する。そのため、種々の核内受容体、核運搬タンパク遺伝子、各々の受容体応答配列を持つレポータープラスミドを酵母に導入し、各種受容体に対する被験物質の結合能を培養液の発色によって測定するバイオアッセイ系を樹立してきた。平成20年度は樹立したアッセイ酵母に、さらに核内受容体のコアクチベーターであるSRC-1を導入し、検出感度を上げた。これまでにAhR、RXR(retinoid X receptor)α・β、ER(Estrogen Receptor)α・β、TR(thyroid hormone receptor)α・β、AR(androgen receptor)、GR(glucocorticoid hormone receptor)、VDR(vitamine D receptor)、PXR(Pregnane X receptor)、FXR(Farnesoid X receptor)などがほぼ樹立できた。既知リガンド物質を用いて、これらの酵母とヒト細胞の応答性を比較検証した結果、応答性が両者で一致するリガンドとそうでないリガンドがあることがわかった。奈良盆地から大阪湾へ注ぐ大和川の各地の河川水の主な核内受容体リガンド活性を比較した結果、天然のERリガンドと思われる物質が竜田川から大和川へ流入していることがわかった。またある地点より下流で未知のTRリガンド物質が検出され、現在その物質を同定中である。
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Environmental Toxicology (印刷中)
Environmental Science and Technology 42
ページ: 6897-6902