Pd基金属ガラスから電気化学脱成分腐食法により多孔質Pdを合成した。多孔質Pdの形状は脱成分腐食法の条件と母体のPd合金の混合率によって調整出来た。そして作製したPd多孔質の主な形状を断面から捉え、孔の深さや大きさ、母層の厚さなどの表面形状を走査電子顕微鏡や電子顕微鏡により測定した。 また、ナノ多孔質金の形成メカニズムについて系統的に研究を行い、腐食温度と時間を制御することで、5nmから30nmまで孔サイズを制御できることがわかった。系統的な研究から、孔サイズの粗大化メカニズムは、金の表面拡散が支配因子であることを明らかにした。ラマン増強散乱特性は、金節サイズが小さくなるにしたがって改善され、10-7.mol/Lの希薄なロンダミン6G高分子を検出することに成功した。表面増強ラマン散乱特性はナノ多孔質金の破面上によっても得られることがわかり、5nmの曲率半径を持つ先端部での電磁場が有効な因子であることがわかった。 ナノ多孔質金の表面に無電解析出法によりAgの1-2nmの均一の厚さで電着することに成功し、表面増強ラマン散乱特性を改善することに成功した。銀の膜厚は反応時間によって制御でき、光学特性について系統的に調査を行った。 ナノ多孔質金の、ランダムな3次元構造の特徴を与える一周期長さ(Characteristic length scale)の簡便な測定法について、走査電子顕微鏡や電子顕微鏡をもちいるフーリエ変換法を応用する方法を考案した。
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