研究概要 |
ナノエピタキシーの酸化物テンプレート作成の為に以下の3種類の酸化物ナノ加工法を実施した。 (1)酸化物直接AFMナノリソグラフィー法により、分子層ステップ(ステップ高さ〜0.4nm)が明瞭に観察される原子レベルで平坦な薄膜中に5μmの長さに渡って形成された約30nmのペロブスカイト構造酸化物、(La,Ba)MnO_3ナノチャネルの形成に成功した。 (2)さらに汎用的に様々な物質に適用可能なMoナノマスク酸化物AFMリソグラフィー法を開発しスピネル構造酸化物(Fe,Mn)_3O_4,(Fe,Zn)_3O_4ナノ細線構造を作成した。 (3)ナノアレイ化、大面積化が実現可能なMo/MgOナノマスク酸化物ナノインプリント加工法。ナノインプリント法はSiなど半導体微細加工において、超高分解能、大量・大面積、低コスト一括ナノ構造生産の期待が寄せられている方法である。この方法が遷移金属酸化物薄膜形成に応用できれば、応用上および多面的な物性測定への適用範囲が非常に広くなる。Moをリフトオフ用のナノマスクとして用いた。Moは有機レジストと異なり、酸化物薄膜成膜時の高温に耐えることが出来る。例として、100nm径程度のエピタキシャル成長した(Fe,Mn)_3O_4ナノドットアレイを1cm×1cmの大面積に、c軸配向した500nmサイズのZnOナノウェルアレイの作成に成功した。
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