研究概要 |
三次元ナノ構造形成の基板としてこれまでに、サブ50nm級の微細加工を実現する酸化物AFMナノリソグラフィーを開発してきたが、大面積に一括してナノ構造を形成するために、酸化物ナノインプリント法リソグラフィー法の開発を行った。ナノインプリント法はSiなど半導体微細加工において、超高分解能、大量・大面積、低コスト一括ナノ構造生産の期待が寄せられている方法である。金属酸化物薄膜に対してはMoをリフトオフ用のナノマスクとして用いるインプリントリソグラフィー法(Moナノマスクリフトオフーインプリント法)を開発した。例として高温強磁性酸化物(Fe,Mn)_3O_4薄膜形成に対し以下のようなプロセスを行った。Al_2O_3(0001)単結晶基板(2cm×2cm)上に塗布したPMMA膜に石英モールドによりドットパターンを形成後、この上にスパッタリング法によりMo薄膜を積層した。続いてアセトン中超音波洗浄により、PMMA層を除去しMoドットナノマスクを形成する。その後、レーザアブレーション法により、基板温度360℃、酸素ガス圧10^<-4>Paにおいて金属酸化物薄膜((Fe,Mn)_3O_4)を積層し、その後H_2O_2によって、Mo層からのリフトオフにより、酸化物ナノドットを形成するものである。100nm径程度のエピタキシャル成長した(Fe,Mn)_3O_4ナノドットアレイを得ることに成功した。このように大面積に一括してナノ構造を形成することにより、大量の良く規定された3次元ナノ構造を得ることが可能となる。また基板上に金ナノパターンを形成後、レーザアブレーション法により酸化物(MgO)を蒸着するすることにより、金中への酸化物の輸送・過飽和・溶出を利用した自己組織化酸化物ナノワイヤ成長を行った。
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