研究課題
我々の触媒は30時間以上活性を保ち、単層カーボンナノチューブが成長し続けるが、単層カーボンナノチューブが長くなるほどカーボンラジカルの拡散距離が長くなるために、成長速度は時間とともに減少する。そこで、隙間をあけて拡散距離を短くするためにパターン成長を行った。円柱状にパターン成長した場合は、パターンなしに比べて、同じ10時間成長にも関わらず600um長く伸びた。これは、単層カーボンナノチューブの根元にある触媒微粒子に、パターン成長の側壁から多量の前駆体が進入可能になったからである。ハニカム構造のパターン成長を用い30時間成長を行った結果、5.2mmの垂直配向単層カーボンナノチューブが得られた。これは、現時点で垂直配向単層カーボンナノチューブにおいて世界で最も高い値である。しかし、この成長においても時間とともに成長速度が減少した。これはハニカム中の600umの隙間においてもラジカルの拡散が抑制されてしまうことを示している。より大きな隙間ならば単層カーボンナノチューブの成長速度が減少しないと考え、ライン状のパターン(4mm x 0.3mm)を用いたところ、20時間の成長でも成長速度は時間に比例し、線形な成長が得られた。また、さらなる高速成長の達成のためにCVD条件の最適化を行った。その結果、成長速度に大きな影響を与えるパラメータは温度であることが分かった。これまで用いていた600℃での成長に比べ、690℃では約3倍の850um/hという高い成長速度が得られた。これは、高い温度によってラジカルの拡散係数が上昇したことと、触媒の活性が高まったことによると考えられる。この温度において20時間の成長において5.3mmまでカーボンナノチューブを伸長することに成功した。今後、この最適CVD条件とパターン成長を組み合わせることによりさらに長尺な単層カーボンナノチューブの合成が期待できる。
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