研究課題/領域番号 |
18651063
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
山本 博之 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (30354822)
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研究分担者 |
山口 憲司 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (50210357)
大場 弘則 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (60354817)
山田 洋一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 博士研究員 (20435598)
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キーワード | ナノ材料 / 量子ビーム / 同位体 / ドーピング / 核変換 |
研究概要 |
^<30>Siは中性子照射に伴う核変換によりPを生成することから同位体を優れたドーパントとして機能させることが可能である。同時にこれらの素材を数nm程度まで薄膜化し、急峻な界面を作製すればナノ領域における電気特性の制御が期待される。本年度は結晶性の差異が電気特性に大きく影響することから作製する薄膜の結晶性を向上させ物性を改善させることに重点を置いて研究を進め、通常より高いRF周波数を発生させることのできる化学気相蒸着装置(CVD)を用いて以下の検討を行い、良好な結果を得た。 成膜では、2.45GHzマイクロ波加熱リモート型CVD装置を用い、H_2/SiF_4流量比を2〜10とし、基板温度を300〜750℃の範囲で変化させた条件下で試みた。薄膜の評価はX線回折法、透過型電子顕微鏡(TEM)および二次イオン質量分析法を用いて行った。^<30>Siを26%程度に濃縮したSiF_4を用い、H_2/SiF_4比25、成膜時の圧力2Torr、基板温度を450℃としてSi(111)基板上に2.5時間成膜した試料についてX線回折法により評価を行った結果、基板上に極めて配向性の高いSi薄膜が得られていることが明らかとなった。TEMによる断面観察の結果から、5μmの均一な膜厚であり、かつ膜のほぼ全体にわたって良好な結晶性を持っていることが確認された。膜中の同位体比もほぼ原料気体と一致しており、本条件で高品質な同位体濃縮薄膜が得られたことがわかった。この方法で得られた膜を用いて、これまで結晶性の問題により有為な差の認められなかったドーピング特性変化が明らかになるものと考えられる。
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