研究課題
本研究は、理論的に示唆された単電子確率共鳴を実験的に観測・実証することを目的とする。このために、独自の化合物半導体ナノショットキーゲート制御量子ナノデバイス技術(図3)を適用し並列集積量子ナノドット単電子トランジスタと各々のドット中の電子数変化をモニタするシステムを試作し、現象の実験的観測を行う。研究期間内の実績は、(1)単電子確率共鳴の物理レベルでの解析モデルを構築し、シミュレーションによる結果をほぼ定量的に説明できることを示した。このモデル化により、確率共鳴ピーク位置が単電子トランジスタの帯電エネルギーと結びついていることを明らかにした。(2)具体的な系の設計のため、確率共鳴方程式を数値解法するシミュレータを作成した。(3)実験的研究として、GaAs系エッチングナノワイヤとナノショットキーゲートを用い、単電子トランジスタとそのドット中の電子数を検出する量子細線トランジスタを集積した系を設計・試作した。解析により、試作した系において単電子検出が可能であることを確認した。さらに、試作した系においてマクロな電流検出を行い、その動作を確認した。(4)単電子トランジスタのコンダクタンス振動特性より電子数変化を間接的に検出する手法を検討し、単電子トランジスタを50素子並列した系のコンダクタンス振動の温度依存性に対しこれを適用することで、コンダクタンス振動の温度依存性に確率共鳴を示すピークが存在することを実験的に示した。
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