2年継続研究の初年度の研究は主として現地調査およびその分析を実施した。 最初に、研究フィールドである島嶼部で進む少子高齢化に関して統計等の資料を収集・整理することにより、その高齢化にいたる歴史的経過を数値として概要の把握を行った。島嶼部では日本全体、愛媛県全体に時間的経過を比較すると、5年から10年ほど早く高齢化が進んでおり、島嶼部では都市部より、早急なバリアフリー整備の必要性が明らかとなった。 あわせて瀬戸内海周辺沿岸(大阪、兵庫、岡山、広島、山口、福岡、島根、鳥取、徳島、香川、愛媛の11府県)の港湾施設の現地調査の実施をし、特に桟橋から船舶への移乗施設に関して重点調査を行った。また比較対象として港湾以外の旅客施設(JR新幹線、在来線、バス、新交通システム等)において、船舶との乗船下船時の相違に注目して、バリアフリー対策の現状を把握した。 乗船後の船内活動の場として対策がされつつある船内バリアフリー化の現状を新造船の調査見学を実施した。船内空間に余裕のある大型船においては陸上の交通施設に準拠した基準で対応が行われている。 分析整理を終えた結果は研究会・学会で報告(5件)した。 「統計から見た上島町のすがた-高齢化・医療・健康の視点から-」 「瀬戸内海における船舶交通について」 「車いす利用者の視点から見た上島長周辺海域の定期旅客船等のバリアフリー化の現状」 など また、その一部は論文として投稿し査読中である。
|