研究概要 |
平成18年度では,軽自動車パジェロミニを購入し,車両前後に金属探知機やRF-IDの取り付け基部を作りつけた。実験の内容は,鉄粒粉入りラインの金属探知機を用いた探知認識とRF-IDによる路車間通信である。鉄粒粉入りのラインは,アスファルト上に日本ライナー製ロードライン2000(白)で幅150mmの線を30m引き,この上に純鉄粒粉を散布し,さらにロードライン2000を重ねるという方法を取った。大学構内の実験線であるため,車および歩行者がライン上の粒鉄を踏んではがしてしまうことがあり,ロードラインを数度重ねる部分と新たに20mm間隔に溝を切り,これに粒鉄粉を散布する部分とに分けた。金属探知機での検知もパジェロミニ前部に直径13mm,20mmの塩化ビニルパイプでフレームを作成し,実際に車を走らせて実験を行った。金属探知機の干渉を避けるため,それぞれを360mm間隔で配置した。雪上での実験では,積雪の有無に係わらずライン上約200mmで探知可能であり,基本的な実証試験ができた。 一方,RF-IDを用いた路車間通信には,まずオムロン製ロングレンジRF-ID形V720のアンテナおよびリードライト機器を用いて実験を行った。形V720-HS03アンテナをパジェロミニ後部に鉄製アングルで片持ち梁を作り,路面とアンテナが水平になるように設置し,地上高を調整しつつ実験を行った。RFタグは,V720D-D13P30と4S2VR-V720-D13P02STの2種類を用いて比較検討した。D13P02STは送受信エンベロープの断面が真円に近く,送受信動作がD13P30に比べ安定していたため,以降の実験では,D13P02STを用いることとした。なお実験室でアンテナを木製机上に置き受信範囲エンベロープを計測したときに比べ,RFタグをアスファルト上に置いたときは,表面の乾湿の別なく送受信距離が低下した。またRFタグ上に圧雪および雪解けの水がそれぞれ100mm程度あっても送受信動作に影響は見られなかった。またオムロン製形V690システムを用いた送受信実験も含めて,RF-IDの送受信実験は時速30km程度でも読み書き可能であった。
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