紫外光に感度のあるCCDカメラ3台とUVバンドパスフィルターを組み合わせて噴煙中の二酸化硫黄の可視化を行う装置を作製した。平成18年度には、大学キャンパス内で基礎的な観測を行い、作製した装置の性能の評価をおこなった。また、桜島火山において噴煙観測を行い、作製した装置で噴煙中の二酸化硫黄のイメージングが可能であることを示した。18年度後半には、学内上空測定などの予備実験の際に、紫外分光計と並行して測定を行った。紫外分光計によるスペクトル解析などから、測定に対する雲の影響に関して新たな知見を得たほか、観測手法の問題点などが明らかになった。 平成19年度前半は、前年度に得た知見の応用や問題点の解決に向けて予備実験や観測を行った。雲の影響の確認したほか、川崎市の工場地帯で、工場の煙突から放出される二酸化硫黄を含まない水滴を含む排煙や、透明な水蒸気が、測定に対してどのような影響を与えるかの確認など、基礎的な観測を行った。画像解析により水蒸気や水滴の影響を取り除けることを確認した。測定装置の方も、改良を進め3台のCCDを同期撮像させる観測プログラムと、解析を自動で行うプログラムを開発した。9月には三宅島で観測を行った。三宅島は、2000年の噴火活動以来、大量の火山ガスを放出し続けており、現在も1日に数千トン二酸化硫黄を放出している。噴煙から約3kmはなれたところから、高カラム濃度二酸化の硫黄噴煙の観測を行い、可視光では透明な噴煙の二酸化硫黄の可視化を行った。10月には桜島での観測を行った。
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