研究課題/領域番号 |
18651089
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
宮島 昌克 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (70143881)
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研究分担者 |
北浦 勝 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (70026269)
池本 敏和 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (60311677)
村田 晶 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (30283097)
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キーワード | 長周期地震動 / 上水道 / スロッシング / 救命ライフライン / 貯水槽 |
研究概要 |
本研究では、長周期地震動によって上水貯水槽の水がスロッシング現象を起こし、強制引水を開始する条件をまず明らかにし、っぎに、同時に多くの貯水槽が強制引水を行ったときに上水道システムに及ぼす影響を検討し、さらに、救命ライフラインといわれる消火、医療給水に及ぼす影響を検討することを目的とする。 まず、2004年8月に発生した紀伊半島南東沖地震の際に大阪市水道局の水道供給システムで観測された異常挙動に関する観測データを収集し、分析するとともに、異常挙動の顕著に生じた地域における、上水貯水槽の設置数、寸法などを現地調査した。貯水槽の寸法から水位の変化に伴う貯水槽内の水の卓越周期の変化を算出し、紀伊半島南東沖地震の際の当該地域における地震動の卓越周期と比較検討した。 水供給システムにおいて多地点で流量や水圧の経時変化を観測している、比較的大規模な水道事業体に対して、地震時の異常挙動に関するアンケート調査を実施した。このとき、対象となる地震動の灘スペクトルが必要となるので、対象となる地域の地盤データを収集するとともに、観測地震波形も収集し、地震応答解析を実施した。この結果、卓越周期が長い地震動の場合に異常挙動を示しているので、受水槽などのスロッシングが誘発されて異常挙動に結びついている可能性の高いことが示された。 異常挙動のもうひとつの可能性として挙げられているトイレタンクを用いたスロッシングの振動実験を実施した。すなわち、水深を変化させながら水を満たしたトイレタンクを起振機に載せ、入力振動数を変えながら加振し、スロッシング高さを計測した。これについては次年度も継続する予定である。
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