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2008 年度 実績報告書

外洋性アホウドリ類の混獲軽減を目的としたGPS及び映像を使った行動研究

研究課題

研究課題/領域番号 18651111
研究機関北海道大学

研究代表者

綿貫 豊  北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 准教授 (40192819)

キーワード行動学 / 海洋生態 / 生物保全 / 先端デバイス
研究概要

18-19年度に収集した、小笠原で繁殖するクロアシアホウドリと亜南極クローゼ諸島で繁殖するワタリアホウドリのGPSトラッキングデータをつかってかれらの索餌行動を詳細に解析した。その結果は次の二つに要約される。
1. 地域限定的餌探索 : 小笠原聟島で、育雛中のクロアシアホウドリは聟島から2日以内のトリップで、最大400kmほどまで採食に出かけていた。1秒ごとにデータが取得できた3個体の軌跡のまがりぐあいをFirst Passage Timeをつかって分析した結果、その分散は、20km程度で大きく、これが地域限定探索の空間スケールであり、その範囲内で着水をしていることが多かった。またワタリアホウドリにおいても、同様な地域限定探索域がみとめられた。このように、両者において、10Kmスケールで採食行動を集中させる複数の場所が認められたが、今回のデータからは、こういった地域限定探索域が明瞭な海洋構造と結びついているかははっきりしなかった。
2. 飛翔行動 : クロアシアホウドリにおいて、一定方向に移動している部分では、細かく見ると100mスケールでジグザグしながら移動していることが多かった。急に方向転換したあとに低速(対地速度で秒速3-7m)部分があり、その後高速(秒速12-25m)部分があらわれた。その周期はウェーブレット解析によるとおよそ10-15秒だった。また、ワタリアホウドリでも同様の移動パタンが時々観察され、速度の変化周期も10-20秒だったが、高速部分(秒速25m)、低速部分(秒速5m)での速度は若干速かった。これらの速度は、ワタリアホウドリがダイナミックソアリングする場合の最適予測値(海面近くでの最高速度が秒速28m、頂点での最低速度が秒速10m、Sachs 2005)よりやや遅かったが、周期は予測値(ほぼ10秒)にちかかった。この部分ではダイナミックソアリングをしていると推定された。
これら2点について、招聘研究者を交え議論した。アホウドリ類は広範囲を移動しながら10kmスケールのホットスポットで索餌すること、GPSトラッキングは飛行や着水など詳細な行動解析にも使えることがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] GPS tracking suggests dynamic soaring of albatrosses2008

    • 著者名/発表者名
      Harada T, Yoda K, Sato K, Watanuki Y
    • 学会等名
      NIPR Symposium of Polar Biology
    • 発表場所
      国立極地研(東京)
    • 年月日
      2008-12-04
  • [学会発表] 育雛初期におけるクロアシアホウドリの探索・採餌行動について2008

    • 著者名/発表者名
      原田知子、出口智広、風間健太郎、鈴木創、綿貫豊
    • 学会等名
      日本鳥学会大会
    • 発表場所
      立教大学(東京)
    • 年月日
      2008-09-15

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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