研究課題/領域番号 |
18651115
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
安藤 和雄 京都大学, 東南アジア研究所, 助教授 (20283658)
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研究分担者 |
河合 明宣 放送大学, 教養学部, 教授 (90195024)
大西 信弘 京都学園大学, バイオ環境学部, 助教授 (80378827)
奥山 直司 高野山大学, 文学部, 教授 (50177193)
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キーワード | 住民参加型 / 資料館 / 環ヒマラヤ地域 / ネットワーク / 在地の農業技術 |
研究概要 |
(1)国内研究会:6月20日、東南アジア研究所で安藤、河合、大西、黒川考宏(亀岡市文化資料館館長:研究協力者)による第1回研究会の開催(研究内容・調査計画確認、ネパール、チベットでの調査可能性と代替計画を検討した。ミャンマー農業大学、ラオス国立大学との共同研究検討、カンボジア、バングラデシュでの農具、遺跡、博物館調査を本年度の調査にも加えた)を行うとともに、東南アジア研究所の共同研究会「農村開発における地域性」との合同で「地域における亀岡市文化史料館の活動と役割」について黒川が発表し、勉強会を行った。3月30日本年度の活動報告を兼ねて、共同研究会「農村開発における地域性」との合同で「アジアの農村開発の新しい可能性」として、文化資料館活動をいかしたラオスの事例を中心に東南アジア研究所研究員矢嶋吉司や同研修員安野修、大西らが発表し、検討するとともに、河合、奥山らとともにH18年度の活動総括を行った。 (2)海外現地調査:8月にチベット調査を安藤・奥山が計画するが、現地側との調整がつかず平成18年度は調査を見送った。11月に、安藤がカンボジアとラオスで調査を実施した。カンボジアでは、プノンペンとシムリアップ周辺農村とプノンペン国立博物館での農具調査ならび、ラオス国立大学農学部でラオス農民伝統農具博物館の開所式に出席し、今後の研究計画を打ち合わせた。また、2月には、ビエンチャンを訪れ、住民参加型伝統農業資料館活動を今後展開するための準備として、ラオスのNGOであるPADETCを東南アジア研究所研究員である矢嶋吉司さんと訪問し、PADETC代表のソンバットさんと意見交換をするとともに、PADEC、農学部と東南アジア研究所が今後共同として、住民参加型資料館ネットワークを形成していくために、文部科学省の国際協力イニシアティブ事業、JICAの草の根技術協力パートナーシップ事業への応募の基本合意をした。ラオス農学部のラオス農民伝統農具博物館の資料パンフレット作成について打ち合わせを行った。12月には、大西が、ミャンマーのヤンゴンにある東南アジア教育省組織歴史文化伝統地域センター(SEMEO-CHAT)を訪問し、研究打合せならびにネットワーク形成の打合せを行った。3月には、安藤・奥山がバングラデシュで調査を行った。タンガィル県カリハティ郡ドッキンチャムリア村にて、同村ベースのNGOであるJRDSの住民参加型実践農村開発プログラムを実施しているに参加し、伝統演舞やバウルと呼ばれる伝統的吟遊歌人の歌を収録し、JRDSが現在進めている同村での文化資料館計画の打ち合わせを行った。またダッカ博物館主事ニルールさん、バングラデシュ考古局次長モシャレフさんとともに、コミラのモイナモティ、ラッシャヒのバリンドロ,パハールプール、ディナジプール、ロングプールの各博物館を調査し、考古学的資料などの展示方法や、利用のされ方などについて視察した。特に、ディナジプールはNGOが運営している博物館であったが、仏像、ヒンズー像などのコレクションや展示のための説明は、NGOとして活発に活動していることに敬意を抱いた。パハールプールでは,博物館に隣接して活動しているNGOを訪れ、今後、ドッキンチャムリア村のNGOであるJRDSとのネットワークによる住民に対する古代知識の啓蒙活動の実践活動計画を共同でつくっていくことを検討した。
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