研究概要 |
平成18年度は、日本と諸外国における「親密な関係にあるパートナーからの暴力(IPV : Intimate Partner Violence)」に関する研究動向を探ると同時に、文献検討により理論的概念枠を構築した。そしてこれらの基礎資料を土台にして面接ガイドを作成し、夫婦間暴力経験者のうち女性被害者11人に個人面接を実施した。構築した理論的概念枠は学会で発表をした。 1.夫婦間暴力を含む「親密な関係にあるパートナーからの暴力」に関して発生率などの統計的データ、親密な関係にあるパートナーからの暴力に影響を及ぼしている要因、既存の被害者加害者支援プログラムなどについて文献検討し、研究の理論的枠組みに反映させた。 2.平成18年4月と7月に米国イリノイ州にあるChicago Metropolitan Battered Women's Network (CMBWN)を訪問し、DV関連プログラムの運営状況や動向について情報を得た。被害者救助のシステムは移民者対象のものも含めて、比較的良好に機能している。しかし加害者プログラムについては、いろいろな試みがなされているにもかかわらず、効果的なものはまだ報告されていない。 3.親密な関係にあるパートナーからの暴力にエコロジカルモデルを適用した文献を分析検討し、それらと1の内容を統合修正して本研究に適した理論的概念枠を作成した。それに基づき面接ガイドを作成した。 4.三重県立看護大学の倫理審査委員会の承認を得て、夫婦間暴力経験者(女性被害者11人)に個人面接を実施した。 ・ 女性被害者11人のデータ分析についてイリノイ大学で研究協力者に助言を得た(平成18年11月)。 ・ 男性加害者の参加者はまだ得られていない * 理論的概念枠の学会での口頭発表: The conceptual framework : Japanese cultural script of Intimate Partner Violence (IPV). Paper presented at the 30th Midwest Nursing Research Society (MNRS) Conference, Milwaukee, WI. (2006).
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