1.日系既成仏教教団のブラジル開教について、日本国内における各宗派の宗務庁(宗務院)の関係部局、元開教使(師)への聞き取り、文献収集とその整理と分析 2006年3月から翌月にかけて1ヶ月、2007年2月から翌月にかけて1ヶ月、2007年9月の1ヶ月間実施したブラジル現地調査で収集した資料を整理し、ブラジルにおける日系既成仏教(開教)寺院の活動と特に現地日系社会との関わりについて考察した。ブラジルにおける各寺院の開教活動について、関連資料と開教使、信者への聞き取りから得られた情報を整理した。さらに、各宗派の宗務庁から海外布教に対する見解、今後の方針について聞き取り調査と、現地の各教団及び開教使の取り組みについて調査し、分析を進めた。 2.ブラジルにおける日系既成仏教寺院と現地日系団体への訪問と聞き取り、資料収集 2008年8月29日(出国)から2008年10月3日(帰国)まで、ブラジルのサン・パウロ州とパラナ州、首都ブラジリアにおける既成仏教宗派寺院を訪問し、住職(開教使)、職員、信者への聞き取り調査と日系団体への聞き取り調査を行い、関係資料の収集を行った。収集した資料を整理し、特に寺院の地域的特徴を分析するとともに、異文化環境での活動の課題と展望について考察を進めた。その結果、寺院の存在意義を明確にした上で、単に布教活動だけでなく社会的役割も担い、広く認知され、多様な信者を獲得することが、地域社会での寺院運営には不可欠である指摘されうる。 3.ブラジルにおける日系既成仏教による福祉活動に関する学会発表 収集した資料を整理、分析した結果の一部を、言語文化学会第22回大会(2008年12月6日、於甲南大学)にて発表した。
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