古代ギリシア美術において神殿建築などの公共建築に代表される公的領域の図像に対して、家族の表現、家庭での男性、女性のイメージ、誕生から死までのライフサイクルなどを含む私的領域の図像の研究を進めた。特に彫像や浮彫墓碑や奉納碑や陶器画そのほかの工芸品にみられる視覚イメージを収集・分析した。今年度の研究成果として第一に、研究代表(長田年弘)によってウィーン大学において研究成果発表を行った。すなわち2008年2月28日から3月1日にかけて開催されたオーストリア西洋古典考古学全国大会において、28日に「後期アルカイック、初期クラシックのアマゾン図像Amazonendarstellung in der spaetarchaischer und fruehklassischer Zeit」と題する口頭発表を行った。その後質疑応答によって研究成果を公開した。また会議後に、ザルツブルグ大学西洋古典考古学研究所のW. Wohlmayr教授と共に、美術館資料としての図像収集、分析手法について専門的な意見の交換を行った。また2007年7月8日、11月4日、2008年3月9日に研究例会を開催し、研究協力者である田中咲子(名古屋ボストン美術館)および中村るい(放送大学)と共に、発表と質疑を行った。中村るいは2008年2月に米国のウォルターズ美術館(ボルティモア)ヘレニズム〜ローマ期のコレクション調査を実施した。
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