初年度である18年度の研究は、大きくわけて、1.インターネットを通じて提供されている書誌・文献情報の収集、整理、分析、2.書誌・文献情報を提供している機関の担当者と直接面談して、情報提供の活動の現状と展望について理解を深める、の二つからなっている。 1.ロシア、ウクライナの主要な図書館、文書館のOPACやホームページの中で提供されている情報については、大都市(モスクワ、ペテルブルグ、キエフ、リヴィウなど)にある主要な図書館の書誌情報については、細部まで収集し、分類・分析を行った。文学関係の主要な学術研究機関(「世界文学研究所」「ロシア文学研究所」など)、のホームページについても、情報を集め分析を行った。全体として、書誌情報の提供が積極的に進められていること、図書館・研究所によって情報の充実ぶりにバラつきがあることが分かった。 民間で提供されている作家や研究分野ごとに専門化された情報については、現在収集の途上であり、さらに、ベラルーシ、バルト三国、欧米などの図書館・研究機関については、平成19年度の課題である。 2.平成18年の8月末から9月初めにかけて、ウクライナのリヴィウに出張し、国立リヴィウ大学図書館、国立中央歴史文書館(リヴィウ)、ステファニク科学アカデミー図書館を訪問した。最初の二館にについては、担当者と面談し、図書、文献カタログの電子化や、インターネットを通じた文献情報の提供の際にに直面している問題について話を聞いた。総じて、資金不足と方法論の不備が、情報環境整備の障碍になっているという印象を受けた。 さらに、平成18年12月に、北海道大学スラブ研究センターに行く機会を得たので、センター図書館の担当者と、ホームページの管理・運営について話し合いを持った。
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