研究概要 |
当初の計画通り8月7〜13日にThe British Library(London, UK)でスタイン将来による敦煌文書のオリジナル文献に対する調査を行った。書誌形態・文字修正状況に関する調査を主とし、S.5521/S.6001/S.5585/S.5572/S.5694(調査をおこなった順に記載)の5点の資料について実見した。すでに影印による公開が行われているものに関しては写真では読み取れない紙質・墨の色・紙の貼り合わせの状態・貼り合わせ面の書写文字の有無・朱入れ状況・修正情報・BLの資料保存状況などのデータを記録した。さらに、今回の調査では、完全未公開の資料を重点的に選び調査を行ったため、これらの未公開資料については書誌情報のみならず内容についても詳細な報告を行う予定である。とりわけ資料S.5521については、すでに同定作業を終えており成果公開を予定している。 また、9月7〜10日に南京師範大学で開催された敦煌学国際学術研討会において「関於両種《佛説八陽神呪経》P.3915」の論題で口頭発表を行い成果の1部を公開した。この国際学会については論集にまとめられることとなっており、本発表に関しても加筆・修正の上寄稿ずみであり現在印刷中である。 次年度に予定しているBibliotheque nationale de France(Paris)での調査に先がけて、今年度よりBnF.において始められたデジタル資料の配布状況に関して、1部資料を請求し、その実態についても検討中である。
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