研究課題/領域番号 |
18652038
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
近藤 真 静岡大学, 情報学部, 教授 (30225627)
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研究分担者 |
伊東 幸宏 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (20193526)
小西 達裕 静岡大学, 情報学部, 助教授 (30234800)
小暮 悟 静岡大学, 情報学部, 助手 (40359758)
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キーワード | 構文解析 / 自然言語理解 / 意味理解 / 文脈理解 |
研究概要 |
本年度は、構文解析と意味理解を融合した構文意味解析手法の検討を行い、概念辞書の構築と構文意味解析器を試作した。 1.構文意味解析手法の検討 構文解析と意味理解を融合した解析を実現するために、入力文の先頭から形態素を1つずつ取り出し、部分木を生成すると同時に、その部分木に対応した意味表現を生成する手法について検討した。部分木を生成する際には、処理中の入力文のうち、既に解析が終了した部分木に対応する意味表現だけでなく、文脈として蓄積されている、処理中の入力文以前に入力・解析された文に対応する意味表現からも意味情報を抽出し、一文単位の解析では解消できない入力文の曖昧性を、文脈中の意味情報を参照することで解消することを可能にする構文意味解析手法を開発した。 2.概念辞書の構築 上記の検討に基づき、本構文意味解析手法を実装する試作システムにおいて利用する概念辞書を構築した。概念辞書はXML形式で記述されており、各概念に対応する概念名・概念クラス・見出し語情報・属性情報を記述している。構築した概念辞書の規模は、見出し語数がおよそ1400語、概念数がおよそ900概念である。 3.構文意味解析器の試作 上記の構文意味解析手法と概念辞書を用いた構文意味解析器を試作し、その評価を行った。その結果、構文解析と意味理解を融合し、入力文中の意味情報だけでなく、文脈中に蓄積されている意味情報をあわせて解析処理に利用することで、解析精度が向上することが確認された。また、解析精度の向上に加え、入力文の解釈結果として、複数の解釈候補が生成される場合、文脈を参照することで、解釈候補数が減少することが確認された。
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