研究概要 |
本研究の目的: 1) 各地ですでに報告されている農耕地遺構の土壌および立地環境等、農耕に関連する情報を収集し、評価項目および評価基準の再検討を行い、より汎用的な評価方法を確立することを第一の目的とする。2) モデルケースとして群馬県子持村地域における古墳時代農耕の復元をおこない評価方法を検討することを第二の目的とする。 3) 薄片試料を作成し、構造を保持したまま元素分析を行う方法(土壌構造非破壊化学分析法)を確立する。これまで分析が困難であった古墳時代の土壌について大型薄片試料を作成し、構造を保持したまま元素分析を行う方法(土壌構造非破壊化学分析法)を用いてより多くの情報を収集する。 平成19年度の研究経過: 前述した目的1),2)の基礎データとなる子持村で発掘された遺跡の情報を収集し,デジタルデータとして保存した.特にデータベースの骨子となる畝の形状等のデータについてまとめ一部試作的なデータベースを作成した.また,3)の古墳時代の農耕地土壌の大型薄片試料を作成し解析をおこなった. 大型薄片試料を生成するためには不かく乱土壌試料の採取が必要である.こうした不かく乱土壌試料は,採取・保存後多目的に再採取が可能である.そこで大型薄片試料としての利用を不かく乱土壌試料の分析方法の一つとして日本文化財科学会にて「科学分析用土壌試料の採取・保存およびその教育試料としての利用」と題し,ポスター発表をおこなった.
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