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2007 年度 実績報告書

三次元的パターンマッチング法等の応用による土器製作者個人の高確度同定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18652073
研究機関鹿児島国際大学

研究代表者

中園 聡  鹿児島国際大学, 国際文化学部, 教授 (90243865)

キーワード個人同定 / レプリカ法 / 身体技法 / 土器 / 蛍光X線分析 / 胎土分析 / マッチング / 考古学
研究概要

本研究は、分析的手法を用いて多角的に土器製作者個人を同定する方法の開発を行うものであり、前年度に継続して資料収集と調査・実験を実施した。
土器表面にみられる製作工具痕における同一工具の同定法については、初年度の同一個体内での痕跡の同定などの基礎的研究を踏まえ、異なる個体間での痕跡の同定に拡張して実験・検討を行った。使用した方法は、レプリカ法による痕跡の転写とそのデジタル画像データによるマッチングのほか、工具痕のつき方に関する実験、蛍光X線分析による胎土分析などである。弥生土器のほか東南アジア・フィジーの土器を対象とした。レプリカ法では断面をマイクロスコープを用いて観察等し、断面から得られた高解像度画像を画像処理ソフト上でマッチングさせる方法を前年度開発したが、高解像度画像の歪み補正に関する検討・実験の結果、より有効なマッチングを行うことができた。こうして、同一個体内だけでなく個体間でも同一工具を確認する方法をさらに洗練できたのは大きな成果である。また、同時製作だが製作者が異なる個体間において蛍光X線分析を実施するなどして、製作者による胎土調整の違いなどに起因する個人差の把握も試みたが、胎土調整のクセが検出できる場合があることも確認できた。さらに、個人同定の判別効率を確認するため、実験製作品などを用いてブラインド・テストを試みた。レプリカ法では概ね良好な成績が得られた。工具痕の観察から身体技法を復元することも一定程度可能であることもわかった。ただし、同一工具であっても異なる部位を使用した場合や、同一部位でも極端に違う角度で施したものなどは、同一工具痕を他の工具と判別する可能性があることもわかった。こうした成果をもとにすれば、個人同定法の方法論の基本的な確立が可能であるという確信が得られつつある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 大阪府山賀遺跡出土土器および関連資料の胎土分析2008

    • 著者名/発表者名
      中園 聡・松本 直子, ほか
    • 雑誌名

      文化財研究 33

      ページ: 30-41

  • [学会発表] 土器表面の痕跡による個人同定法の開発と産地推定への試験的研究2007

    • 著者名/発表者名
      中園 聡・池平 壮峻
    • 学会等名
      日本文化財科学会第24回大会
    • 発表場所
      奈良教育大学
    • 年月日
      20070600
  • [学会発表] 蛍光X線分析の応用による土器製作者個人の変異の検討-産地における製作者の把握2007

    • 著者名/発表者名
      中園 聡・川宿田 好見, 他
    • 学会等名
      日本文化財科学会第24回大会
    • 発表場所
      奈良教育大学
    • 年月日
      20070600
  • [学会発表] 弥生土器のハケメの研究一製作者同定にむけての試験的研究2007

    • 著者名/発表者名
      中園 聡・池平 壮峻
    • 学会等名
      日本考古学協会第73回大会
    • 発表場所
      明治大学
    • 年月日
      20070500
  • [学会発表] 弥生土器と身体技法-ミガキー2007

    • 著者名/発表者名
      川宿田 好見・中園 聡
    • 学会等名
      日本考古学協会第73回大会
    • 発表場所
      明治大学
    • 年月日
      20070500

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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