研究課題/領域番号 |
18652074
|
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
浜谷 正人 富山大学, 人文学部, 教授 (30019319)
|
研究分担者 |
大西 宏治 富山大学, 人文学部, 助教授 (10324443)
香川 雄一 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (00401307)
|
キーワード | 都市近郊農村 / ポリティクス / 嫌われ施設 / 環境 |
研究概要 |
本研究の目的は、現在の都市近郊農村という空間をめぐる社会的・政治的なポリティクスがどのような様相を持つものであるのか、嫌われ施設や犯罪など手がかりに空間をめぐる様々な争いを、実証研究を通じて明らかにすることにある。 具体的には、(1)都市近郊農村への嫌われ施設の立地パターンと立地要因、(2)嫌われ施設の立地に際して生起する住民一住民、住民一行政の対立、(3)都市近郊で発生する都市型犯罪、特に幼児・児童犯罪などの発生パターンと住民の対応、以上、三つの実証的な調査を実施する.そして、この三つの研究事例を横断的に検討し、現在の日本の都市近郊農村の社会的・政治的ポリティクスに関して、一定の知見を示すとともに、今後の研究の方向性を示すことが目標である。 本年度は、まず、鹿沼市とその周辺の都市近郊農村地域における嫌われ施設(迷惑施設)の立地動向を把握し、地理情報システム(GIS)を用いて、それらの施設の分布特性を把握した。そして、様々な統計データとてらしあわせてみた。 次に、富山県下で作成された地域安全マップに関して、作成した小学校でのインタビュー調査を実施した。また、名古屋市の郊外である富士見台学区で、学校・住民が連携して作成する地域安全マップの作成プロセスを調査した。その結果、子どもたちの全空間を確保するための、登下校時の高齢者や主婦による見守り等の活動により、地域住民は地域に一定の安全空間を提供していると感じているものの、子どもたちの戸外活動は登下校時に限られるわけではないため、見守りの活動により、十分な安全空間は提供できていない。さらに、地域安全マップを作成する中、子ども110番の看板が地域の中にたくさん見られるものの、留守宅などが多く、実質的に機能しないことがわかった。
|