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2006 年度 実績報告書

国際公共海域における「遺伝子探査」をめぐる科学・ビジネス・法-国際法的枠組の模索

研究課題

研究課題/領域番号 18653004
研究機関神戸大学

研究代表者

柴田 明穂  神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (00273954)

キーワード国際法学 / 遺伝子探査 / 科学技術 / 南極海域 / 深海底 / 生物多様性
研究概要

本研究は、「遺伝子探査」(biological prospecting)と呼ばれる活動を巡る科学、ビジネス、そして関連する国内・国際法の現状と課題を明らかにし、その総合的検討を通じて、「遺伝子探査」活動を枠づける国際法規範・組織のあり方について、政策指向的に考察することを目的とする。
そのため、本年度では、第1に、南極海域における「遺伝子探査」をめぐる議論および実態の調査を行うため、平成18年6月に開催された第29回南極条約協議国会議に出席し、南極海域にて行われているとされる「遺伝子探査」をめぐる議論を聴取し、資料収集を行った。また、国立極地研究所において生態学を専門とし、実際に、南極におけるバクテリア採取等を行っている研究者から、その活動の実態と意義づけ(その商業的意味合いの有無)等について聞き取り調査を行った。その結果、研究現場における微生物等の採取活動者と、政治的フォーラムにおいてその規制を検討する政策決定者の間では、同じ活動を巡りその意義づけが異なることがあり、それが「遺伝子探査」をめぐる国際法的(規制的)議論を困難にしていることが明らかになった。
第2に、国家管轄権を越える海域(公海、特に、深海底)における「遺伝子探査」をめぐる議論を生物多様性条約から検討する視点(もう1つは国連海洋法条約からの視点)を調査するため、生物多様性条約事務局(モントリオール)を訪問し、同条約における議論状況を聴取し、関連資料を収集した。その結果、「遺伝子探査」活動は、同条約の生物多様性保全に関する諸規定との関連で問題になりうるが、現時点では議論はあまりされていないことが明らかになった。
本問題に関する重要文献(Francioni & Scovazzi eds., Biotechnology and International Law (2006)など)の収集、検討も行った。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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