研究課題
インドは、BRICsの中の1国として経済成長が目覚しく、今世紀半ばには人口で中国を追い越し、中国の次の経済発展フロンティアまたは、最近、摩擦の多い中国に代替しうる経済的パートナー国として期待できる。特に、インドの場合、中国が農業から製造業への代替を志向したのに対して、物的資源をあまり必要とはしない知識集約型のソフトウエアを中心としたIT産業に特化してきた。しかし、バンガロール(Bangalore)を中心に、ソフトウエア産業での成功手法を次世代型のバイオ産業に応用しようとする動きが連邦・地方政府主導でみられる。既に、バンガロールでは、ソフトウエアとバイオ技術との融合領域としてバイオインフォマティックスをキーワードにして、産官学のキーパーソンから成るビジョングループのアイデアを基に、サイエンスパークを建設し、Bioconをはじめ多くのバイオベンチャーの創業がみられる。今年度は初年度という観点から、周知のバンガロール以外に、Hyderabad、Mumbai、Puneにも調査対象地域を拡大し、インドでのITからバイオへの転換モデルの特徴を予備調査した。ハイダラバードでは、主要大学として、University of Hyderabad、Osmania University, Indian School of Businessがあり、人材の供給源になっている。University of HyderabadのSchool of Management Studiesでは学部長のRamana教授が過去、日産に勤務した経験もあり、講演を依頼された。Indian School of Businessは教授陣・設備も米欧型のエリート教育システムを採用したユニークなキャッチアップ型の教育を行なっている。さらに郊外には、農業バイオの研究機関ICRISATもあり、ベンチャー創出プログラムを持っている。企業としては、財閥系のGVKBIOと、サイエンスパーク内のバイオベンチャーBharat Biotechなどにインタビューを行なった。ムンバイでは、技術系大学IIT Bombayと、金融センターとしの立地から全国的な金融機関の従業員教育を担当するIndian Institute of Banking & Financeを調査した。特に、IIBFでは、インドの金融市場としての魅力と米国のファイナンス技術の革新との融合を目指してYale Univ.との連携を検討している。さらに、ムンバイに近いプネでは、University of Puneを調査した。Department of Management Scienceでは、MBAの一環としてバイオ関連のMOT教育を行なっており、バンガロールのBioconなども協力している。バイオに特化したMBA・MOT教育は大学の水準を反映して、非常にユニークで先駆的な取り組みと思われる。一般的にインドのMOT政策として、道路などのインフラよりも、人材育成に対して先行投資を行なっているように思われる。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (5件)
研究・技術計画学会第21回年次学術大会講演要旨集(東北大学) 10月21-22日
ページ: 902-905
Proceedings of R&D Management Conference (Lake Windermere, UK) 5-7 July(CD-ROM)
ページ: 10
Proceedings of GBATA, Moscow, Russia 27 June-1 July
ページ: 239-247
Proceedings of 17^<th> ISPIM Annual Conference, Athens, Greece 11-14 June(CD-ROM)
Proceedings of IAMOT 2006, Beijing, China 23- 26 May(CD-ROM)
ページ: 9