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2008 年度 実績報告書

純粋持株会社の本社機能の解明:管理会計の視角から

研究課題

研究課題/領域番号 18653037
研究機関大阪大学

研究代表者

淺田 孝幸  大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10143132)

キーワード会計学 / 純粋持株会社 / 経営学 / 戦略本社
研究概要

「純粋持株会社」における本社機能の解明は、ケースを多様した研究が必要であり、これまでの3年間で、およそ、製造業で純粋持株会社を採用している企業でかつ、大規模な社会的企業(8社)を対象に聴き取り調査をおこなった。その論文内容によれば、これまでのホールディシグスの研究理論と現実のホールディングス(以下では、HD)の本社機能との間には、ギャップが相当あることが指摘できた.例えば、創業者の後継者に事業を継承させるためのHDの例。持株会社をとりながら、同時にカンパニー制をとっている事例、持株会社をしながら、子会社を上場している例、子会社から投資資金を十分に回収できない弱いHDの例、戦略機能をもたないHDの例などである。
そこで、かかる多様性をもつ実態を明らかにする上で、静態的な分類でなく、動態的な分類でHD会社の時間的変化(2-3年の観察期間での)の特性を捕まえることを試みた。それが、2軸で表現すると縦軸は、「グループ内だけかグループ間の企業を含めた再編かどうかの区分」、横軸は、2つに区分されており、「1つは、ポートフォリオ型かそれとも、リストラクチャリング型であるかの区分」で行う、この区分に、これまでの調査データを位置づけると、リストラクチャリング型でグループ間再編をとるのが、典型的なケースとして、HD採用例とも言えるが、このケースでは、HDのコントロール機能は、当初のルストラクチャリングにおいて、強力に機能していることが、再編過程から読みとれる。グループ内でのリストラクチャリングのケースでは、HDは、社内の事業部の分社化を強力進めており、HDのコントロール機能が強力である。また、ポートフォリオ型でグループ内再編を取る例は、HDの役割は、財務コントロールを行うが、入事配置や組織再編への中心機能としてのHDは認められない。また、ポートフォリオ型で、グループ内再編をとるHDのケースでは、一層、HDのコントロール機能は弱く、HDは、グループ共通のミッションを作成して、遠心力のかかるグループのブランドの共通化などを意識した、グループ管理を行っていることが観察された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 純粋持株会社におけるマネジメント・コントロールの現状と課題2008

    • 著者名/発表者名
      浅田孝幸, 塘誠, 頼誠
    • 雑誌名

      会計 174巻3号

      ページ: 103-118

  • [雑誌論文] 知識経営の特質と無形資産の意義2008

    • 著者名/発表者名
      淺田孝幸
    • 雑誌名

      会計 173巻4号

      ページ: 49-69

  • [雑誌論文] 企業統治のための仕組みとしての会計システムー複雑な企業組織における管理・会計システムの役割2008

    • 著者名/発表者名
      淺田孝幸
    • 雑誌名

      経理研究(中央大学) 51巻

      ページ: 203-217

  • [学会発表] 純粋持株会社制における組織再編の実態2008

    • 著者名/発表者名
      淺田, 塘誠, 頼誠
    • 学会等名
      日本会計研究学会
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2008-09-10

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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