本年度は、まず米国のNational Institute on Drug AbuseとNational Center for Biotechnology Informationのデータベースを用いて、TTMを用いた実践プログラムに関する米国および国内の先行研究の収集を試みた。キーワードは「Transtheoretical model(以下TTMと表記)」「family」「substance use disorder」「drug abuse」「drug dependence」「addiction」等である。しかし、物質使用障害者の家族を対象とした先行研究の存在は確認されなかった。これにより、物質使用障害者により家族が受ける影響を把握するために、物質使用障害者を対象としたプログラムに関する研究の収集を試ると共に、物質使用障害者の家族支援プログラムへの応用の可能性が見込まれる23件を抽出した。 次に物質使用障害者の家族を対象とする匿名で参加可能なサポートグループを開催し(4回1クール、4クール、参加延人数82名)、参加者の疾病理解と物質使用障害者への対応に関する発言内容を記録し、それらを「Precontemplation」「Contemplation」「Preparation」「Action」「Maintenance」の5つの行動変容ステージと関連づけながら整理、分析した。これに基づいて、行動変容ステージに関する質問票の試作版を作成した。
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