研究概要 |
本年度は、1950年代沖縄の社会福祉に関する考察、沖縄の社会福祉に関する文献・資料の収集ならびに分析・社会福祉対象論の文脈における共同体論の可能性の調査研究、占領下日本における第一回共同募金運動に関する考察、を主におこなった。 1、1952年に沖縄社会福祉協議会によって開始された共同募金運動の社会的背景を知るため、1950年代沖縄の社会福祉に関する考察をおこなった。具体的には、地上戦後に設置された孤児院・養老院の実態と1949年にそれらを統合して設立された沖縄厚生園について調査し、論文にまとめた。 2、沖縄の社会福祉に関する文献・資料の収集は、四国学院大学図書館の協力を得たほか、沖縄県立図書館郷土資料室、石垣市立図書館、沖縄県立図書館八重山分館、琉球大学附属図書館、などを訪れ、閲覧および複写をおこなった。また、沖縄県共同募金会を訪れ、共同募金関連の資料の提供を得た。収集および分析した資料について、主なものは次のとおりである。 (1)1950年代の沖縄における社会福祉に関する資料 (2)沖縄の共同募金運動に関する資料 (3)米軍統治期の八重山地域における社会福祉に関する資料 (4)1950年代の沖縄社会に関する資料 3、社会福祉理念と共同体観に関する理論的整理をおこなうという本研究の目的にそって、社会福祉対象論の文脈における共同体論の可能性を調査研究するため、日本社会福祉学会主催第3回政策・理論フォーラム「「新たな」社会福祉対象へのアプローチ」に参加した。また、対象論の観点からの試論を、第149回関西社会事業思想史研究会において「小倉襄二先生の《対象論》から学ぶこと」として報告した。 4,1950年代の沖縄における共同募金運動を考察するために、1947年に占領下日本において開始された共同募金運動の社会的背景と経緯について、資料収集および分析をおこなった。資料収集のため、大阪府立大学人間社会学部図書室、大阪府立大学人間社会学部資料室、同志社大学図書館、を訪れた。
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