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2007 年度 実績報告書

小型近赤外線計測装置の開発による動物脳機能の測定

研究課題

研究課題/領域番号 18653081
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

渡辺 茂  慶應義塾大学, 文学部, 教授 (30051907)

研究分担者 檀 一平太  独立行政法人食品総合研究所, 食品物理機能研究室, 研究員 (20399380)
キーワード近赤外光 / NIRS / 動物脳 / 脳画像 / 光学測定
研究概要

1)小型LEDによる動物用NIRSの試作本年度も引き続き小型LEDを頭蓋に固定して近赤外光を照射し、やはり頭蓋に受光部も固定して、動物側で、光学シグナルを電気信号に変えて計測器に送る実験を行った。その反射光の測定を行った。これまでにハトを実験動物とした場合には瞬目反射による光学的ノイズが大きいことがわかっているので、ラットを実験動物とした。その結果、反射光の測定はできるが、十分な空間分解能は得られず、近赤外光による能活動部位の同定は困難であることがわかった。さらに、どの程度の近赤外光の散乱があるかを調べるために赤外線ビデオカメラを用いて検討を行った。その結果、近赤外光は脳全体に拡散しており、測定した反射光は脳全体の積分値であることがわかった。そこで、近赤外光のパワーを下げることを試みたが、全体への拡散を減ずることはできなかった。さらにLEDと頭蓋の間に微小な光学系を組み込み、光軸を絞ることを模索したが、動物の頭蓋に固定することを考えると実際的でないことがわかった。
2)近赤外光による脳全体の画像解析の可能性近赤外光が脳全体に拡散することから、逆に2方向に赤外線ビデオカメラを設置し、脳全体の画像を測定してより近赤外光を吸収する部位とそうでない部位を特定することが可能ではないかという発想を得た。ソフトウエアの面と実際の実験可能性の両面から検討した結果、ソフト的にはなんとか可能であろうという結論を得た。しかし,実際の実験遂行上はどうしても動物の頭部を固定する必要があり、固定による光の遮蔽が生じ、また、本来の目的である自由運動中の動物の脳活動の測定には不適切であることがわかった。
以上、研究の過程で多くの知見が得られたが、行動中の動物の脳活動測定法としてのNIRSは現時点では実現できないことがわかった。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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