研究課題/領域番号 |
18653083
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
廣田 照幸 日本大学, 文理学部, 教授 (10208887)
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研究分担者 |
古賀 正義 中央大学, 文学部, 教授 (90178244)
高井良 健一 東京経済大学, 経営学部, 助教授 (50297339)
伊藤 茂樹 駒沢大学, 文学部, 教授 (70251569)
土井 隆義 筑波大学, 人文社会科学研究科, 教授 (60217601)
金子 真理子 東京学芸大学, 教員養成カリキュラム開発センター, 助教授 (70334464)
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キーワード | 矯正教育 / 刑務所 / 少年院 / 処遇 / 参与観察 / 聞き取り調査 / 社会復帰 / 矯正 |
研究概要 |
本年度は、(1)研究メンバーによる報告及び外部から招聘した専門家とのディスカッションを中心にした研究会を定期的に開催したほか、(2)女子刑務所において、「薬物離脱指導プログラム」実施過程を観察し、受講者及び職員から聞き取り調査を行った(調査1)、(3)男女少年院において、日常生活場面を長期にわたって観察するとともに、職員及び少年を対象にした聞き取り調査を行った(調査2)、(4)矯正図書館等において、先行研究や研究資料を体系的に渉猟し、現時点での研究の到達点を確認した。 調査1では、主に医療的な観点(認知行動療法的アプローチ)からプログラムが組まれた「薬物離脱指導」の過程を、主として教育社会学・教育方法学の視点から実証的に考察し、プログラムの有効性と限界についての考察を通して、女子刑務所における矯正教育の構造や機能の一端を明らかにすることに努めた。実践的なレベルでの知見は、法務省矯正局及び施設職員を交えた研究会において報告してプログラムの改善に資するとともに、学術的なレベルでの考察を進めて、日本の行刑施設が特徴的にもつ教育的機能を体系的に整理しているところである。調査2では、施設収容中の期間における少年の変容過程を、職員との相互作用や行事への取り組みの中から見出す作業を進めてきた。まだ、調査を継続中ではあるが、予備的な仮説構築ができたところである。文献及び資料の収集は、着実に進展してきたが、さらに継続が必要である。 なお、調査1をもとに実践的な側面から考察した調査報告書を、法務省矯正局の内部資料として作成した。同報告書を出発点にしながら、平成19年度に本格的な分析を進める予定である。
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