研究概要 |
以前より継続している「長期療養患児とその家族の保育支援」で行っている育児・子育て,子どもの発達,就学前教育に関する相談活動を実施するとともに,今年度は,去年度に得られた成果や変化を,医療現場に継続・発展させ,定着させていく為にクリアすべき課題としてどのようなものがあるのかが明らかにされてきた。 中でも,子どもの発達と遊びとの関係や,子どもと保護者の関係,退院後の円滑な社会復帰を目指すがゆえに保障されることが求められる患児の生活など,マニュアル化し難いことがらについての課題が,非常に大きい点が明らかになってきた。 課題の中でも特に,入院中と退院後の家族(主に母親)の,子どもや社会,周囲の環境に対する意識のギャップが生み出す軌轢は,子どものその後の生活に大きな影響を与えることが,1つの縦断的観察の中で見られた。そのため,よりスムーズ社会復帰を目指すためには,これらの予防と対策をプログラムに盛り込んでいかなくてはならない。同時に,医療と教育がどの部分で融合していく必要があるのか,また,いかにして融合していくことが可能となりうるのか等を,研究分担者(山口)の分析・見解を取り入れながら議論を重ねていった。
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